2012年07月31日

「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する御意見の募集

 内閣府の、「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する御意見の募集、に意見登録しました。
 長いですが、久しぶりの作文でしたので、ここにも載せさせてもらいます。

<概要>
 原子力発電所は無くす方向で。「節電」と共に「脱電」を。
 ①放射能汚染が起こると、汚染地域での生活も食糧生産も回復困難。②放射能廃棄物の問題。③原発は発電量を電力消費のピークに合わせられない。

<本文>
 原子力発電所(以下、原発)は無くす、という方向で、日本のエネルギー政策の転換を図るべきだと思います。他の発電方法より、非常時の被害が深刻かつ甚大であり、放射性廃棄物や施設老朽化の始末など、後始末に無理のある技術であり、やはり、これ以上の原発開発は停止すべきだと思います。

 主な理由を以下の三つにまとめました。
 一つには、ひとたび放射能汚染が起こると、その除去は非常に困難で、汚染された地域での生活も食糧生産も回復困難になるということ。日本の食糧自給率を下げる要因にもなると思います。
 地震のような災害が起こらなくても、技術者、作業員のみなさんがベストをつくしていても「想定外」のことは起こると思います。そうでなければ、「想定外」という概念など、言葉として存在しなかったでしょうから。必ず「想定外」は起こりえます。
 そして「想定外」に破壊された場合の、被害の深刻さが、他の発電方法と桁違いなのが原子力発電所です。火力発電所も水力発電所も、規模が大きくなれば、それが破壊された時の被害も大きくはなります。ですが、5年、10年、といった一世代が生きているうちに回復可能な被害です。
 それに比べて、放射能汚染は、遺伝子に傷がつく、という世代を超えた目に見えない被害があり、かつ、チェルノブイリの現状では25年以上にわたって、居住および食糧生産が出来なくなっています。日本の狭い国土の中、何世代にもわたって人が住めない土地になるのは問題ですし、もともと低い日本の食糧自給率をさらに下げることになるでしょう。特に食糧は安全保障の問題にもなると思います。

 二つ目は放射能廃棄物の問題です。地殻変動が活動期に入った感のある、地震の多い日本で、地下に埋設する廃棄方法は、とても危険だと思います。
 また、放射性廃棄物処理場(たとえば六ヶ所村)で「想定外」の規模の地震が起きた時は、上に書いた、原発が被害にあった時とまったく同じ危険があるでしょう。
 加えて、使用耐久年限が終わった原発の解体・産廃処理の問題も大きいです。
 原発は、非常に後始末に無理のある技術であり、やはり、これ以上の原発開発は停止すべきだと思います。

 三つ目は発電量の調節が緩慢にしか出来ず、日中の電力消費のピークに合わせて増減出来ないので、電力供給の方法として大変、損だと思います。
 日本はこれまで、電力の約30%を原発でまかなっていたそうですが、その時点で、深夜の電力は余って昼間は足りなかったわけですから、まったく使い勝手の悪い発電方法だったと思います。

 以上の理由をもって、今後の日本の電力の原発依存度は0%を目指すべきだと思います。
 原発以外の発電方法、火力発電や水力発電にも欠点はありますが、それらの賢い活用と、新たな発電方法の開発で、かつてのオイルショックを乗りこえて世界のトップ技術をものにした日本のように、今の日本だって、原発以外の発電で世界のトップを目指すことが出来ると思います。

 最後になりましたが、エネルギー政策の方向の一つに、「電力一辺倒からの脱却」=「脱電」も考えてほしいです。
 たとえば、「太陽光発電で作った「電力」を使ってお湯を沸かす」より、「太陽光(熱)でお湯を沸かす」ほうが、ずっと効率的です。ですが、「太陽光発電装置」にはエコポイントが出ますが、「太陽熱湯沸かし器」には出ません。
 また、車も電気自動車の開発は盛んですが、火力発電時のエネルギーロスや送電時のロスを考えると、石油を焚いて作った電気で走るより、石油をガソリンとして使ってハイブリット車を走るほうが効率的です。さらに、CO2の削減を考えると、太陽光発電車と同じくCO2排出量0で、実用化されて長いプロパン車(現在、タクシーに多い)を走らせるのがベストだと私は思います。ですので、プロパン車や、プロパン車を使ったタクシー利用者にエコポイントを出したらいいのではないか、と思います。

 「節電」だけではなく、「脱電」を流行らせたいです。長くなりましたが、ここまで、お読みくださって、ありがとうございました。  福島ますみ  


Posted by モリアオ41 at 13:19Comments(0)